『万葉集難訓歌を明快に解く!』 試し読み


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書名万葉集難訓歌を明快に解く!


目次

まえがき

 二〇二五(令和七)年 現在、万葉集には、未解決の難訓歌や、
解釈の定まらない歌が、いくつか残されています。本稿は、
千三百年以上も未解決だった謎の、『明快』な解決案を示します。
 従来の曖昧な大意の解釈とは異なり、
本稿は、『簡潔』なのに『具体的』で、『明確』かつ『詳細』、
『歴史と符合』するので、『説得力』のある解釈になっています。
 各稿の詳細は、独立した論文形式になっています。どれも、
本邦初」です。
明快』な『謎解き』を、お楽しみください。

各歌の問題点と、解決案の概要

額田王ぬかたのおほきみ莫囂圓隣歌ばくごうえんりんか(巻一・九)巻1-9

問題:最初の二句『莫囂圓隣之 大相七兄爪湯氣』が難訓で、
   諸説があり混乱しています。当然、詳細な意訳はありません。
解決:鍵となる『表意兼表音文字ひょういけんひょうおんもじ』を提案します。
   試訓と、「明確に意味が通る」、全文の意訳を提示します。
   題詞に沿う、温泉の『湯気の文脈』で、
   「有間皇子の亡き面影を、湯気に映して、昇天を想う歌」
   であることが判明します。


積雪が少ない地域のため、とても珍しい、藤原京から見た雪の日の大和三山 (注) 雪は、本文の解釈とは、直接の関係はありません。
藤原京から見た雪の日の天香具山
天香具山
藤原京から見た雪の日の畝傍山
畝傍山
藤原京から見た雪の日の耳成山
耳成山

中大兄なかのおほえの大和三山の歌(巻一・十三~十五)巻1-13-15

問題:三山を男女の色恋に喩え、その性別論争が続いています。
   また、第二反歌には『反歌に似ず』(似つかわしくない)の
   注釈があり、長歌や第一反歌とは無関係だと思われています。
   反歌とは、長歌の意を反復、補足、または要約する歌です。
解決:『高山』に『かぐやま』の訓が付けられたこと自体が、
   「そもそも」の間違いだとし、素直に『たかやま』と読みます。
   そこから「全て」が導き出され、性別と注釈の問題を解決し、
   「全てに『整合性』が有る結論」を得ます。
   長年にわたり、三山の性別論争が続いてきたが、もしも本稿が
   妥当ならば、この論争に「終止符」を打つことになるでしょう。

     雪の日の『月の誕生石』
     藤原京から見た雪の日の、天香具山にある『月の誕生石』 藤原京から見た雪の日の、天香具山にある『月の誕生石』
     論文に書きましたが、天香具山にあり、
     昔話では、この石から、月の赤ちゃんが産まれました。

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     三輪山
     箸墓古墳の近くの池から見た三輪山 桜と菜の花が咲く井寺池から見た三輪山
     論文に出てくる、『目に焼き付いている、われやわらげる山の姿』です。

額田王ぬかたのおほきみ井戸王ゐのへのおほきみの三輪山の歌(巻一・十七~十九)巻1-17-19

問題:十九番歌の和歌わか唱和しょうわする歌、応じる歌、こたふる歌)には、
   『和ふる歌に似ず』(唱和する歌として似つかわしくない)
   の注釈があり、長歌や反歌とは無関係だと思われています。
解決:『三輪根麻呂みわのねまろ』の仮説を提案し、陰の『しのぶ文脈』を導入します。
   長歌と反歌の、陰の意訳が重要な先導となります。
   和歌に、陰の『三輪伝説の文脈、かつ偲ぶ文脈』を追加し、
   末尾の「『』は『姿すがた』」とすることによって、
   和歌が陽陰で明確に唱和します。つまり、
   『和ふる歌に似ず』が否定され、明確に解決されます。
   三首は陰に「亡き三輪根麻呂を偲ぶ歌」であることを示します。

高市皇子たけちのみこ三諸みもろの歌(巻二・一五六)巻2-156

問題:『已具耳矣 自得見監乍共』が難訓で、諸説があり、
   混乱しています。当然、詳細な意訳は、ありません。
解決:人の死に際して「当たり前」の、「字義訓読」を示します。
   「誤字の仮定」があり、『』ではなく、『』を使います。
   目からうろこの訓読で、今まで誰も言及げんきゅうしなかったのが不思議です。
   訓読を読み下し文にするべく、『表意兼表音文字ひょういけんひょうおんもじ』を使うと、
   難訓部分は、「驚異的」な「多重」の掛詞になっていて、
   「十市皇女とをちのひめみこの自殺を示唆」しており、
   「慟哭どうこくの歌」であることが判明します。

・持統天皇の燃火もゆるひ向南山むきなやまの歌(巻二・一六〇、一六一)巻2-160-161

問題:『面智男雲』が難訓であり、歌の意味も「火を包んで袋に
   入れる」で意味不明です。『向南山』にも定訓はありません。
   『向南山』も『星』も『月』も、真意が何なのか不明です。
解決:『八面智やおもち』は、天武天皇陵の『八角墳はっかくふん』と仮定します。
   『向南山』は、『南向きの天皇陵』と仮定し、
   天武天皇陵と草壁皇子くさかべのみこ岡宮おかのみや天皇陵の、二つのみささぎとします。
   燃火の歌は、『八角墳』に眠る天武天皇の成仏じょうぶつを願った歌です。
   向南山の歌は、天武天皇を『星』に、草壁皇子を『月』に喩え、
   二人の成仏を天皇陵の『雲』(霊)に喩えた、別れの歌です。


論文タイトル額田王の莫囂圓隣歌の試訓と意訳の提案の、本文の試し読み


                        朝倉 慎一

一、はじめに

 萬葉集の額田王の難訓歌、俗称で、 莫囂圓隣歌ばくごうえんりんか(巻一・九)は、
訓に諸説があり[武田][NK]、まだ、定訓も全文の意訳も無い。
本稿は、試訓と、「明確で詳細」な意訳の「全文」を提案する。
 本稿は、恣意的な「誤字の仮定」や「義訓」をせず、
できるだけ「主観を排除」し、「客観性」を確保する。
 難訓部分には、掛詞が使われていることに気が付いた。
表意兼表音文字ひょういけんひょうおんもじ』という掛詞を定義して、導入すると、
意訳は、「見事に、明確かつ詳細に」、掛けた意味が通る。
「全文」の意味は、「掛詞を展開した全て」という意味である。
 題詞『紀の温泉いでましし時に、額田王の作れる歌』の通り、
莫囂圓隣歌ばくごうえんりんかは、明確に、温泉の『湯気の文脈』になっていて、
有間皇子ありまのみこの亡き面影を湯気に映して、昇天を想う歌」
であることが判明する。

(公開は、ここまでです。)

著者略歴

朝倉 慎一 (あさくら しんいち)(Shin'ichi Asakura)
ORCID    :ORCID iD iconhttps://orcid.org/0009-0000-8893-4649
researchmap:https://researchmap.jp/asakura-shinichi

1964年:広島県呉市 生まれ
1987年:東京都立大学 工学部 電気工学科 卒業
    藤倉電線(株)(現 (株)フジクラ)入社
     電子回路の設計、超電導の研究に従事
1990頃:初めて明日香に行き、香具山に登った
2004年:奈良先端科学技術大学院大学
     物質創成科学研究科 複雑系解析学講座
      前期博士課程 修了
    (株)インタープロジェクト (現 (株)テクノプロ)入社
      電子回路の設計に従事
2010代:香具山 , 明日香 , 三輪に、頻繁に通った。
    『トランジスタ技術』誌に投稿記事
2025年:橿原市に移住
     天香具山を『つま』にして暮らしている


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